二酸化炭素の濃度は仕事の効率に影響するので注意
SOHO(特にホームオフィス)は仕事部屋が狭いので、二酸化炭素濃度が上がりがちです。というお話。
- 狭い部屋は暖房による一酸化炭素中毒が心配
- 食後に眠くなるのも一酸化炭素のせい?
- むしろ二酸化炭素の濃度を測るべき?
- CO2モニター 「CO2-mini」を購入
- 二酸化炭素濃度を測ってみたところ・・・
- 思っていたよりも頻繁に換気が必要
- 換気をしても眠気はやって来るが・・・
- CO2モニターは必要か?
1.狭い部屋は暖房による一酸化炭素中毒が心配
我が家の仕事部屋ではガスファンヒーターを使いますが、あまり頻繁に換気をしていませんでした。というよりも、ほとんど換気をしていないというレベルでした。
あるときふと目にした記事がきっかけで、ガスヒーターによる一酸化炭素中毒が気になったことと、いつも同じ部屋で仕事をしている家内が「頭痛がする」と言ったタイミングが重なり「もしかして一酸化炭素中毒的な症状か?」と思うようになりました。
もしそうだとすると、頭痛がし始めているようでは、すでにかなり危険な状態です。
2.食後に眠くなるのも一酸化炭素のせい?
調べてみると、軽度の一酸化炭素中毒の症状には頭痛のほか、集中力の低下、眠気、といったものもあります。
何やら自分のことを言われているようです。
食後にやたらと眠いのも一酸化炭素中毒が一役買っているのか?など、いろいろ気になったため、一酸化炭素の量、濃度を計測する機器を探しはじめました。
ですがプロが使うことを想定したようなものばかりです。
3.むしろ二酸化炭素の濃度を測るべき?
ここで「その前に二酸化炭素濃度も重要なのでは?」ということに気づきました。オフィスの二酸化炭素濃度が話題になったことがあるようで、ネットで調べていると、このことに触れた記事やブログがいくつか見つかりました。
二酸化炭素は暖房を使わなくても発生するので、2人とはいえ、締め切った小さな部屋で長時間仕事をしていれば濃度は高くなりそうです。
「建築物衛生法」という法律で、建物の管理者は「建築物環境衛生管理基準」を守るよう定められており、「空気環境の調整」という項目があります。この中で温度や湿度、一酸化炭素の含有率に加えて「二酸化炭素の含有率」に関する基準(1,000ppm以下)も定められています。
一般的にオフィスの二酸化炭素濃度もこの基準値内に収めるよう推奨されているそうですが、この1,000ppmという数字がどの程度のものなのかわかりません。
調べてみると、二酸化炭素濃度を計測できるデバイスなら、一般の人が使うことを想定したものがあります。さすがに安価なものは少ないのですが、機能が単純で実売価格が1万円未満のものが見つかりました(購入時は9,099円でした)。
商品名は「CO2モニター CO2-mini」です。
4.CO2モニター 「CO2-mini」を購入
集中力の無さによる損失は重大な問題だったので、それほど悩まずにCO2-miniを購入してしまいました。
USBで電力を供給するだけで本体の液晶ディスプレイに数字が表示される仕組みです。
背面に「Mode」と「Enter」というボタンも付いていますが、普通に使うだけなら必要ありません。
ディスプレイにはCO2濃度と温度が交互に表示されます。
写真では緑のライトが点灯しています。この上はそれぞれ黄、赤のライトになっており、二酸化炭素濃度に応じて切り替わるので、数字を見なくても要注意なのか、問題無いのかがすぐにわかります。
このライトを切り替える基準などを、さきほどのボタンで変更できるようですが、特に必要ないので全く変更していません。
5.二酸化炭素濃度を測ってみたところ・・・
パソコンのUSBポートにつないでしばらくすると、自動的に計測がスタートし、刻々と数字が変化していきます。
CO2は「Hi」だそうです。なかなか数字が表示されません。ライトは赤です。
それもそのはず。初期設定では1,200以上は赤、700~1,199は黄、699以下は緑、ということになっています(変更可能)。これを購入したのは12月で、ガスファンヒーターが稼働している状態でした。1,200を超えていることは充分に考えられます。
そしてあわてて換気すると、しばらくして「2960」のように、3000を切るあたりから数字になりました。要するに、仕事場の二酸化炭素濃度は3,000ppm以上だった(!)ということです。
換気を続けると数字は小さくなりますが、ライトはいつまでたっても赤のままです。外気で冷やすと余計にガスファンヒーターが頑張るので、ガスファンヒーターも一旦止めます。
ライトが緑になる頃には、部屋の中はすっかり冷えていました。
6.思っていたよりも頻繁に換気が必要
さて、その後いろいろと試行錯誤してみましたが、「ガスファンヒーターを使いながら二酸化炭素濃度1,000ppm以下を実現するのはほぼ無理」という結論に至りました。
ガスファンヒーターを止めて換気すれば確かにライトは緑になりますが、ガスファンヒーターを再び稼働させると、あっという間に2,500ppmくらいにはなります。
そして簡単に「Hi」という表示になってしまいます。要するに3,000ppm以上です。
ガス会社などは「1時間に一度は換気」と推奨していますが、その程度ではほとんど3,000ppm以上で過ごすことになります。
もっとこまめに換気すれば、「Hi」ではない状態、すなわち3,000ppm以下を維持することは可能ですが、少なくとも2,000ppmを切るには、寒さに耐えるしかありません。
その後少し暖かくなり、ガスファンヒーターを常時使用しなくても良くなった頃、もう一つの気づきがありました。
それは「ガスファンヒーターを使わなくても簡単に二酸化炭素濃度が上がる」ということです。
締め切った状態の部屋でしばらく2人の人間が過ごすと、呼吸で簡単に二酸化炭素濃度が上がるのです。それも2,000ppm以上は当たり前、みたいな世界です。暖房を使ったら3,000ppmを超えるのは当然です。
ということで、想像していたよりもかなり頻繁に換気しないと、推奨されるような二酸化炭素濃度は実現しません。窓を開けっぱなしにして常時換気していないと1,000ppm以下をキープするのはかなり難しいと思います。
夏は夏で、クーラーが無いと過ごせない時期は換気しないと思うので、6~10畳程度の部屋を仕事場にしている人は、注意してください。1人だけでも意外と二酸化炭素濃度が上がります。
7.換気をしても眠気はやって来るが・・・
頻繁に換気すれば眠気は確かに軽くなります。寒いので当たり前です。計測をスタートした冬の間は、二酸化炭素が問題でぼーっとするのかどうかは、はっきりしませんでした。
ですが通年で換気に気をつけてみた感想は、「やはり二酸化炭素濃度を低くした方がすっきりする」ということでした。長時間換気をしないのと、たまにでも換気するのとでは、明らかに違います。
残念ながら食後の眠気は相変わらずやってきますが、二酸化炭素濃度があまりにも高い状態は避けた方が良いと感じています。私の体感では2,000ppmを超えるとなんとなく違うようです。2,000ppm以下をキープできれば上出来ですが、冬の間は「Hi」(3,000ppm)になったら慌てて換気する、という感じでした。
8.CO2モニターは必要か?
さて、そんなに頻繁に換気しなければいけないのなら、CO2モニターの意味はあまりないのでは?と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
たぶんそうです。こまめに換気できる人はCO2を測定する必要はないと思います。大事なのは「換気の必要性を理解して実行すること」です。
ですが「窓を閉め切りたい時期」というのは、1年のうちかなり長い期間を占めるはずです。タイマーを設定して定期的に換気でも良いのですが、そうでなければ二酸化炭素濃度を常に気にしている価値はあると思います。
私はデスクトップの見える位置にCO2-miniを置き、メインのデスクトップPCにつないで使っています。
USBポートに接続すれば動作するので、これ1つでいろいろな場所の二酸化炭素濃度を計測できるのも便利と言えば便利です。スマホの充電用に、家のいたるところにUSBポートがあるという人もめずらしくないでしょう。
CO2-miniはUSBでPCにつながるので、パソコン側で数値をモニタリングするアプリケーションも入手可能です。ただし、このアプリケーションを常時起動しているのもあまり意味ないので、USBを通じて取得できるデータを自分でどこかに自動保存できるようにしている人もいるようです。このように活用する気になれば、ますます買う価値ありではないでしょうか。
参考:CO2Mini Indoor Air Quality Monitor
(「Software」のタブから「Data Logger Software」をダウンロードできます)
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