NASをRAID10で運用したら便利だった(QNAP TS-451)

  1. QNAPのNAS(QNAP TS-451)を使用
  2. RAID10とは
  3. 読み書きの速度が実用的
  4. HDD故障時も普通に使え、HDD交換も簡単
  5. コストはかかるが多機能だし運用も楽
  6. 本体故障も経験。スムーズに復旧
  7. 大量のデータを扱う場合は特にRAID10のNASがお勧め

1.QNAPのNAS(QNAP TS-451)を使用

NAS(Network Access Storage もしくは Network Attached Storage)は便利です。私はメインマシンとサブマシン、また外出用のノートPCとの間でファイルを共有したり、同じ場所で働く家内とファイルを共有することもあるので、NASは欠かせません。

かつてはHDD1台でLANにつながるだけというシンプルなNASを使っていたこともありました。

扱うファイルの数や容量、頻度が増えたこと、故障に備えたバックアップを考えるのが面倒になったことなどから、しばらく(7年ほど)はRAID10で稼働するNASを使っています。

当初は耐障害性を重視してRAID6にしようと思っていました。ですが耐障害性と読み書きの速度を両立させたくなり、RAID10が可能なQNAPのNASを使っています。現在のものは2代目で「QNAP TS-451+」です。

参考:QNAP(キューナップ) TS-451+(amazon.co.jp)

2.RAID10とは

ストライピングを行うRAID0とミラーリングを行うRAID1の特徴を合わせたようなものだからRAID1+0,すなわりRAID10、と呼ぶそうです。簡単に言うと次のような特徴があります。

  • 最低でも4台のHDDが必要(増設する場合は2台セットで)
  • 同一のRAID1(ミラーセット)で2台同時に故障しない限り動作を継続可能
  • RAID6より高速に読み書き可能

「読み込み」はRAID6の方がむしろ速いという話だったように思いますが、書き込みは確実にRAID10の方が速いということだったので、RAID10にしました。

これが私の理解するRAID10です。RAID10の特徴を詳しく、正しく知りたければググってください。

3.読み書きの速度が実用的

肝心の耐障害性の高さは普段実感することがありません。そのあたりは次の話題で触れます。

RAID10のNASにしてまず実感したのは「読み書きの速さ」です。それまで使っていたNASは、読み込み、書き込み共にストレスを感じていました。

頻繁に読み書きするのには向かないので、1日の終わりにまとめてNASへ書き込み、次の日にまたPCのHDDにコピーする、というような使い方をしていました。

しかしQNAPのNASでRAID10にすると、多少大きめのファイルでもそれほどストレスなく読み書き可能でした。もともと期待したことではありますが、この点は大きなメリットでした。

そのため、現在ではかなりのファイルをNASに置いたまま直接読み書きしています。

Dreamweaverで扱うファイルなど、大容量であったり、頻繁に大量の読み書きが発生しやすいキャッシュ的なものについては、今でもPC上に置いて作業しています。

4.HDD故障時も普通に使え、HDD交換も簡単

しばらく使っているので、HDDの故障と交換も経験しています。実は当初購入したHDDに問題があったので、比較的短い間にすべて故障したのです。

使っていたのはSeagate製のHDDでした。実はこの時期のSeagate製HDDは故障率が高かったそうで(参考:GIGAZINEでそのことに触れた記事)、およそ1年の間に4台すべてのHDDが次々と壊れていきました。購入してから2年半ほどで故障がスタートしたので、かなり高い確率と言って良いと思います。

この時はまだ上記の故障率の高さを知りませんでした。そのため交換用に購入したのは、なるべく同じHDDで揃えたかったという理由でSeagateの同じモデルです。やはり特定の時期の製品に問題があったようで、同じモデルでありながら、交換から4年以上経過してもまだ1台も壊れていません。

話がそれましたが、交換は簡単です。念のため一旦シャットダウンしてからHDDを交換し、再起動しました。管理画面でステータスを確認したところ、徐々に再構築が進み、約12時間後に完了していました。

本当はホットスワップも可能なはずですが、最初に試した際に何かうまく再構築がスタートしなかったように記憶しています。そのためその後はシャットダウンしてから交換しています。

HDD故障に気づいてから交換するまでの間も、交換して再構築している間も、NASは普通に使えていました。故障に気づいてから交換用のHDDを購入したので、少しの間HDD3台での運用でしたが、特に困ることはありませんでした。

5.コストはかかるが多機能だし運用も楽

RAID10にすると、実際のHDDの容量に対して半分相当の容量しか使えません。ただしRAID6にしても同じ事です。この部分のコストを許容できれば、RAID10はかなりお勧めです。

HDDが2台同時におかしくなる可能性はかなり低く、HDD故障は怖くなくなりました。

QNAPはFTPなど、各種サーバーとしても機能します。簡単に使える管理画面が用意されているため、サーバー構築や運用の知識もおそらく不要です。

外出先からのアクセスも簡単です。qnapが用意しているクラウドサービスを通じて自分のNASにアクセスできるように設定しています。ユーザーも複数登録可能で、非常に便利です。

ほかにも外部サービスとの連携を含め、多様なアプリが用意されており、それらをインストールするだけでいろいろなことが可能です。つい最近、Google側の仕様変更により使えなくなってしまいましたが、Gmailのメール、添付ファイルを自動でバックアップするアプリもありました。

また以前は帰省などで長期に出かける際、念のため重要なファイルやしかかり中の案件のファイルをポータブルHDDで持ち歩いていました。現在はその必要がなくなりました。HDDを紛失する心配もなくなり、かなり気楽になりました。

とはいえNASのコントローラーが故障してしまっては意味がありません。実はこれも実際に経験しました、というのが次の話題です。

6.本体故障も経験。スムーズに復旧

以前は「QNAP TS-469Pro」というモデルを使っていました。今思うと当時としては自分には高機能すぎて少々もったいない買い物でしたが、それは良しとします。

ある日、これがいきなり電源断するようになりました。これが一度や二度ではありませんでした。頻繁ではりませんが、その後も何度か発生したのです。使用を開始してから5年弱のことでした。

サポートに問い合わせてみたところ、ログ(dumpファイル)を送れば解析するとのことだったので、教えてもらったツールをインストールし、取得したdumpファイルを送りました。しかし問題の特定につながるようなログはなかったとのことです。解析に有効なログを取るためのサジェストもありましたが、原因の特定に時間をかけている余裕は(精神的に)なかったので、本体を買い換えることにしました。

そうして購入したのが、現在使っている「QNAP TS-451+」です。

469から取り出したHDD4台を451に装着し、電源を入れたところ、かなりあっさり(約5分で)認識され使えるようになりました。

手間取ったとすれば、購入直後、451のファームウェア更新に少し時間がかかった程度です。

結局469にはどんな問題があったのかわからないままでした。451は469よりも少しグレードが落ちるラインナップのようですが、発売時期が大きく異なることもあり、はっきり体感できるほど451の方が高速です。そのまま469はお蔵入りになりました。

修理してくれるにしても、それに時間がかかっては意味がありません。RAID10のNASに課題があるとすれば、この点だけでしょう。

7.大量のデータを扱う場合は特にRAID10のNASがお勧め

NASを2台用意してNASのミラーリングのようなことをするというソリューションもあります。469を復活できればNASのミラーセットとして使っても良いかもしれませんが、最初からNASコントローラーを2台と倍のHDDを用意しておくのはコスト的にかなり厳しいです。

大容量HDDの価格は充分に安くなったので、普段はRAID10のNASを使い、コントローラーの故障に備えて定期的に外部HDDへバックアップするというのが一番良いと思っています。

単純で安価なNASを使い自動で定期的にバックアップを取るということでも良いのですが、RAID10は頻繁にバックアップを取る必要性を感じません。特に大量のデータを扱いバックアップそのものに時間がかかる仕事をしている場合は、RAID10はお勧めです。

QNAPで互換性のあるモデル同士なら、私がやったようにHDDを載せかえるだけでコントローラーの交換も可能です。

 

この投稿へのコメント

コメントはありません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です